
働き方改革や新しい生活様式の広がりにより、「テレワーク」と「リモートワーク」という言葉を目にする機会が増えました。しかし、この二つの言葉の違いや正しい使い分け方について、明確に説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。本記事では、テレワークとリモートワークの定義や語源、普及の歴史、そして使い分けのポイントまで、分かりやすく丁寧に解説します。これから新しい働き方を検討する方や、社内制度の設計を担当される方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
テレワークとリモートワークの違い 公式定義の有無 語源 使われ始めた時期と背景 テレワークの定義と語源 厚生労働省・総務省による公式定義 「Tele」+「Work」の語源と意味 日本でのテレワーク普及の歴史 リモートワークの定義と語源 リモートワークに公式定義がない理由 「Remote」+「Work」の語源と意味 日本でのリモートワーク普及の歴史 テレワークの三つの公式分類 在宅勤務(在宅テレワーク) モバイルワーク サテライトオフィス勤務 テレワークとリモートワークの使い分け方 公式文書や制度設計では「テレワーク」 カジュアルな会話では「リモートワーク」 業界や企業による使い分けの傾向 在宅勤務との違いも解説 在宅勤務はテレワークの一部 在宅勤務とリモートワークの関係 三つの用語の包含関係 企業や個人はどちらの用語を使うべき? 企業の制度設計時の推奨用語 求人情報での使い分け コミュニケーション場面での選択基準 まとめテレワークとリモートワークの違いについて、公式定義や語源、使われ始めた時期と背景から詳しく解説します。
テレワークとリモートワークは、どちらも「会社以外の場所で働く」という意味合いを持っていますが、公式な定義の有無に大きな違いがあります。
テレワークは、厚生労働省や総務省などの公的機関が公式に定義しており、国のガイドラインや各種制度でも用いられている言葉です。一方、リモートワークは、公式な定義が存在せず、企業や個人が自由に使っている言葉です。そのため、制度設計や公的な文書では「テレワーク」が使われることが多く、リモートワークはよりカジュアルな場面で使われる傾向があります。
公式な定義があることで、テレワークは制度設計や助成金申請などの場面で安心して使うことができます。反対に、リモートワークは柔軟なニュアンスを持ち、現場の感覚や働き方の多様性を表現する際に便利な言葉です。こうした違いを理解しておくことで、場面ごとに適切な用語を選ぶことができるでしょう。
テレワークの語源は、「Tele(離れた場所)」と「Work(働く)」を組み合わせた造語です。これは、物理的に会社から離れた場所で働くことを意味しています。一方、リモートワークの語源は、「Remote(遠隔)」と「Work(働く)」の組み合わせです。どちらも「離れて働く」という点では共通していますが、テレワークは日本独自の和製英語として定着しているのに対し、リモートワークは英語圏でも使われる表現です。
語源の違いは、言葉の印象や使われ方にも影響を与えています。テレワークは公式な場面や制度設計で使われやすく、リモートワークは現場の柔軟な働き方やカジュアルなコミュニケーションで親しまれています。どちらの言葉も、現代の多様な働き方を象徴する存在となっています。
テレワークという言葉は、1990年代後半から使われ始めました。当時は、情報通信技術の発展とともに、「オフィス以外の場所で働く新しい働き方」として注目されました。その後、政府の働き方改革や災害時の事業継続計画(BCP)の一環としても推進されるようになりました。
一方でリモートワークは、2010年代にIT業界を中心に広まった言葉です。特に、クラウドサービスやオンライン会議ツールの普及によって、より柔軟な働き方を表現する言葉として使われるようになりました。特に、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに一般的に広く使われるようになりました。
テレワークは、政府や公的機関の推進によって社会に広がり、リモートワークはIT業界やスタートアップ企業を中心に自然発生的に広がった背景があります。両者の普及の歴史を知ることで、なぜ今この二つの言葉が並行して使われているのか、その理由がより明確になります。
先述の通り、テレワークは厚生労働省や総務省が公式に定義している働き方の名称です。公式には「情報通信技術(ICT)を活用し、場所や時間にとらわれずに柔軟に働く形態」とされています。つまり、インターネットやパソコン、スマートフォンなどのICTを使って、会社以外の場所で仕事をすることがテレワークです。
この定義は、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務など、さまざまな働き方を含んでいます。国のガイドラインや助成金制度などでも、テレワークという言葉が使われているため、制度設計や公的な書類では「テレワーク」が標準的な用語となっています。
この公式定義があることで、企業は安心して制度設計や運用を進めることができます。また、従業員に対しても明確なルールやガイドラインを示すことができるため、働き方の多様化を推進するうえで大きな役割を果たしています。
テレワークという言葉は、「Tele(離れた場所)」と「Work(働く)」を組み合わせた造語です。「Tele」は、電話(Telephone)やテレビ(Television)などにも使われているように、「遠く離れた場所」という意味を持っています。つまり、テレワークは「離れた場所で働く」という意味を持ち、会社から物理的に離れていても、ICTを活用することで業務を遂行できる働き方を指します。この語源からも分かるように、テレワークは単なる在宅勤務にとどまらず、さまざまな場所で働くことができる柔軟性を持っています。
語源を理解することで、テレワークが単なる自宅勤務だけでなく、幅広い働き方を包含する言葉であることが分かります。これにより、企業や従業員が自分たちに合った働き方を選択しやすくなります。
日本でテレワークが普及し始めたのは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてです。当時は、情報通信技術の進化により、会社の外でも仕事ができる環境が整い始めました。政府も働き方改革の一環としてテレワークを推進し、企業への導入支援や助成金制度を設けるなど、普及に力を入れてきました。
また、東日本大震災や新型コロナウイルス感染症の拡大など、災害や感染症対策の観点からもテレワークの重要性が再認識されました。こうした背景から、テレワークは多くの企業で導入され、今では一般的な働き方の一つとなっています。
テレワークの普及は、単なる流行ではなく、社会全体の働き方や価値観の変化を反映したものです。今後も技術の進化や社会情勢の変化に合わせて、さらに多様な形で発展していくことが予想されます。
リモートワークは、テレワークと同じく「会社以外の場所で働く」ことを指しますが、厚生労働省や総務省などの公的機関による公式な定義はありません。これは、リモートワークという言葉が主にIT業界やスタートアップ企業など、比較的新しい分野で使われ始めたためです。
また、リモートワークは英語圏でも一般的に使われる表現であり、国や業界によって意味合いがやや異なる場合もあります。そのため、日本国内では公式な定義が設けられていないのが現状です。
公式な定義がないことで、リモートワークは柔軟な使い方ができる反面、制度設計や公的な手続きには向かない場合もあります。言葉の使い方に迷った際は、場面や目的を意識して選ぶことが大切です。
リモートワークの語源は、「Remote(遠隔)」と「Work(働く)」の組み合わせです。「Remote」は「遠く離れた」「遠隔の」という意味があり、会社やオフィスから離れた場所で働くことを表しています。
英語圏では、リモートワークはテレワークとほぼ同じ意味で使われることが多いですが、日本ではテレワークよりもカジュアルな印象が強い言葉として定着しています。特に、IT業界やクリエイティブ業界など、柔軟な働き方が求められる分野でよく使われています。
リモートワークという言葉は、現場の感覚や働き方の多様性を表現するのに適しており、従業員同士のコミュニケーションや新しい働き方の提案にも活用されています。
日本でリモートワークという言葉が広まり始めたのは、2010年代に入ってからです。クラウドサービスやオンライン会議ツールの普及により、場所を選ばずに仕事ができる環境が整ったことが背景にあります。特に、IT企業やベンチャー企業を中心に、リモートワークという言葉が使われるようになりました。
その後、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、リモートワークという言葉が一般企業やメディアでも広く使われるようになりました。今では、テレワークと同じ意味で使われることも多くなっています。
リモートワークの普及は、技術の進化や社会の変化に柔軟に対応するための自然な流れでした。今後も新しい働き方の象徴として、多くの企業や個人に選ばれ続けるでしょう。
テレワークには、公式に三つの分類があります。それぞれの特徴や違いについて詳しく解説します。
在宅勤務は、テレワークの中でも最も一般的な形態です。自宅を職場として、パソコンやインターネットを使いながら業務を行います。通勤の負担がなくなるため、ワークライフバランスの向上や育児・介護との両立がしやすくなる、というメリットがあります。また、災害時や感染症の流行時にも、業務を継続しやすい働き方です。
一方で、仕事とプライベートの切り替えが難しい、コミュニケーションが不足しがち、といった課題もあります。そのため、企業側は在宅勤務者へのサポート体制やコミュニケーションの工夫が求められます。
在宅勤務は、従業員にとっても企業にとっても新しい働き方への適応が求められるため、導入時には十分な準備やサポートが必要です。特に、業務の進捗管理や評価方法の見直し、IT環境の整備などが重要なポイントとなります。
モバイルワークは、移動中や外出先、カフェやコワーキングスペースなど、さまざまな場所で仕事をする働き方です。営業職や出張の多い職種に適しており、スマートフォンやノートパソコン、タブレット端末などを活用して業務を行います。
モバイルワークのメリットは、時間や場所に縛られずに効率的に働ける点です。一方で、情報漏えいやセキュリティリスクへの対策が必要となるため、企業はモバイルワーク用のルールやIT環境の整備を進めることが重要です。
モバイルワークを導入する際には、従業員の安全確保や情報管理の徹底が不可欠です。企業は、セキュリティポリシーの策定や、必要なツールの提供を通じて、安心して働ける環境づくりに取り組む必要があります。
サテライトオフィス勤務は、自宅や本社以外の専用オフィス(サテライトオフィス)で働く形態です。サテライトオフィスは、企業が設置した小規模なオフィスや、シェアオフィス、レンタルオフィスなどが該当します。自宅では集中しにくい場合や、通勤時間を短縮したい場合に有効な働き方です。
サテライトオフィスの活用は、災害時の事業継続や、地方創生の取り組みとしても注目されています。企業は、サテライトオフィスの設置や運用にあたり、セキュリティや設備面の整備が求められます。
サテライトオフィス勤務は、従業員の多様なニーズに応えるだけでなく、企業の事業継続性や地域社会への貢献にもつながります。今後、働き方のさらなる多様化に伴い、サテライトオフィスの活用はますます重要になることが考えられます。
テレワークとリモートワークの使い分け方について、公式文書やカジュアルな会話、業界ごとの傾向を解説します。
企業が就業規則や制度設計、助成金申請などの公式な文書を作成する際には、「テレワーク」という用語を使うのが一般的です。これは、テレワークが厚生労働省や総務省などの公的機関によって公式に定義されているためです。
制度の明確化や社内外への説明の際にも、統一された用語を使うことで混乱を防ぐことができます。特に、助成金や補助金の申請、労務管理、就業規則の改定など、法的な手続きが関わる場面では「テレワーク」が推奨されます。
公式な場面では、用語の統一が信頼性や透明性の向上につながります。企業の信頼を守るためにも、公式文書では「テレワーク」を選ぶことが大切です。
一方で、日常的な会話や社内のカジュアルなコミュニケーションでは、「リモートワーク」という言葉がよく使われます。特に、IT業界や若い世代の間では、「リモートで働く」「リモート会議」など、気軽に使える表現として定着しています。
リモートワークという言葉は、柔軟で自由な働き方をイメージしやすく、親しみやすい印象を持たれやすいのが特徴です。社内チャットやSNS、メールなどでも「リモートワーク」という表現が多く見られます。
カジュアルな場面では、相手との距離感や雰囲気に合わせて言葉を選ぶことで、よりスムーズなコミュニケーションが実現します。
業界や企業によっても、テレワークとリモートワークの使い分けには違いがあります。たとえば、金融業界や製造業など、制度やルールが厳格な業界では「テレワーク」が主に使われます。これは、公式な定義があり、制度設計や労務管理がしやすいためです。
一方、IT業界やクリエイティブ業界、スタートアップ企業などでは、「リモートワーク」が多用される傾向があります。これらの業界では、柔軟性やスピード感を重視するため、よりカジュアルな表現が好まれるのです。企業ごとに用語の使い方が異なる場合もあるため、相手や場面に応じて適切に使い分けることが大切です。
業界ごとの傾向を知っておくことで、取引先やパートナー企業とのやり取りも円滑に進めることができます。自社の文化や業界の慣習に合わせて、柔軟に言葉を選びましょう。
ここでは、テレワークやリモートワークと在宅勤務の違い、そして三つの用語の関係性について解説します。
在宅勤務は、自宅で仕事をする働き方を指します。これは、テレワークの中の一つの形態であり、テレワークの公式分類にも含まれています。つまり、在宅勤務はテレワークの一部であり、テレワークには在宅勤務以外にもモバイルワークやサテライトオフィス勤務が含まれます。
多くの方が「テレワーク=在宅勤務」と思いがちですが、実際にはテレワークの中の一つの選択肢に過ぎません。在宅勤務は、特に家庭の事情や通勤困難な状況に対応するために有効な働き方です。しかし、テレワーク全体を理解することで、より多様な働き方の選択肢が広がります。
リモートワークという言葉は、在宅勤務を含む広い意味で使われることが多いです。つまり、リモートワークの中に在宅勤務が含まれるというイメージです。特に、IT業界やベンチャー企業では、「リモートワーク=在宅勤務」として使われることもありますが、厳密には「会社以外の場所で働く」すべての形態がリモートワークに含まれます。そのため、在宅勤務はテレワークにもリモートワークにも含まれる働き方と言えます。
用語の違いを正しく理解しておくことで、社内外でのコミュニケーションや制度設計がよりスムーズになります。
テレワーク、リモートワーク、在宅勤務の三つの用語は、包含関係で整理できます。
まず、テレワークは公式に定義された広い概念であり、その中に在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務が含まれます。リモートワークは、公式な定義はありませんが、実質的にはテレワークと同じ意味で使われることが多く、在宅勤務もその一部です。
つまり、三つの用語は重なり合いながらも、使われる場面やニュアンスに違いがあるということです。これらの違いを理解しておくことで、社内外でのコミュニケーションや制度設計がスムーズになります。
三つの用語の関係性を整理しておくことで、働き方に関する誤解や混乱を防ぎ、より柔軟で効果的な制度運用が可能となります。
それでは、企業や個人がテレワークとリモートワークのどちらの用語を使えば良いのでしょうか。場面ごとの選択基準について解説します。
企業が就業規則や人事制度、労務管理のルールを設計する際には、「テレワーク」という用語を使うことが推奨されます。これは、テレワークが厚生労働省や総務省によって公式に定義されており、助成金や補助金の申請、法的な手続きにも対応しやすいためです。
また、社内外への説明やガイドライン作成の際にも、統一された用語を使うことで混乱を防ぐことができます。制度設計や公式な文書では「テレワーク」を選ぶのが安心です。
公式な場面では、用語の選択が企業の信頼性や透明性に直結します。迷った場合は、まず「テレワーク」を使うことをおすすめします。
求人情報や採用活動の場面では、求職者に分かりやすい表現を選ぶことが大切です。最近では、「テレワーク可」「リモートワーク可」といった表記が増えていますが、どちらの言葉も広く認知されているため、応募者が混乱することは少なくなっています。
ただし、公式な制度や福利厚生として導入している場合は「テレワーク」と明記し、柔軟な働き方やカジュアルな雰囲気をアピールしたい場合は「リモートワーク」と表現するのが効果的です。企業の方針やターゲット層に合わせて使い分けると良いでしょう。
求人情報では、企業のイメージや働き方の特徴を伝えるために、用語の選択が重要な役割を果たします。応募者に自社の魅力を伝えるためにも、適切な言葉を選びましょう。
日常的な社内コミュニケーションや、取引先とのやり取りでは、相手や状況に応じて用語を選ぶことが大切です。公式な会議や文書では「テレワーク」を使い、カジュアルな会話やチャット、SNSでは「リモートワーク」を使うと、相手に伝わりやすくなります。
相手が使用する言葉に合わせて使うことで、スムーズなコミュニケーションが生まれます。用語の選択に迷った場合は、まず「テレワーク」を使い、相手の反応を見ながら柔軟に対応するのが良いでしょう。
コミュニケーションの場面では、相手への配慮や状況判断が大切です。柔軟に言葉を選ぶことで、より良い関係性を築くことができます。
テレワークとリモートワークは、どちらも会社以外の場所で働く新しい働き方を指しますが、公式な定義や使われる場面に違いがあります。制度設計や公式文書では「テレワーク」、カジュアルな会話や柔軟な働き方を表現したい場合は「リモートワーク」を使うのが一般的です。これからテレワークやリモートワークの導入を検討する際は、用語の違いを理解し、目的や場面に応じて適切に使い分けましょう。
なお、テレワークやリモートワークの導入・運用には、業務プロセスの見直しや制度設計、IT環境の整備など、多くの課題が伴います。こうした課題に直面した際には、専門的な知見を持つ外部パートナーの活用が有効です。
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