BPM(ビジネスプロセスマネジメント)とは?業務効率化に活かす基本と実践方法

日々の業務をもっと効率よく、無駄なく進めたいと感じている方は多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決する考え方として、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)が注目されています。

本記事では、BPMの基本から、導入のメリットや注意点、よくある業務課題とその解決策まで、分かりやすく解説します。

BPM(ビジネスプロセスマネジメント)とは

ここでは、BPMの基本的な意味や定義、そしてBPRとの違いについて解説します。

BPMの定義

BPMとは、「ビジネスプロセスマネジメント」の略称で、企業や組織の業務プロセスを継続的に見直し、最適化していくための管理手法を指します。単なる業務改善ではなく、業務の流れそのものを一度可視化し、計画的に設計、実行、監視、改善を繰り返すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指します。

BPMの特徴は、業務プロセスを一元的に管理し、部門ごとの壁を越えて全体最適を追求する点にあります。たとえば、営業部門と経理部門、総務部門など複数の部署が関わる業務フローを整理し、無駄や重複をなくすことで、全社的な効率化や品質向上につなげます。

また、BPMは一度導入して終わりではありません。業務環境や市場の変化に合わせて、継続的にプロセスを見直し、改善を重ねていくことが重要です。これにより、組織は常に最適な業務体制を維持しやすくなります。

BPMとBPRの違い

BPMとよく似た言葉に「BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)」がありますが、両者には明確な違いがあります。BPRは、既存の業務プロセスを根本的に見直し、抜本的な改革を行う手法です。つまり、現状の業務のやり方をゼロベースで再設計し、劇的な変革を目指します。

一方、BPMは日々の業務プロセスを継続的に改善していくアプローチです。大きな変革を一度に行うのではなく、小さな改善を積み重ねていく点が特徴です。BPMは、現場の業務担当者が主体となって改善活動に取り組むことが多く、現実的かつ持続的な業務効率化を実現しやすいと言えます。

このように、BPRが「一度きりの大改革」であるのに対し、BPMは「日常的な業務改善のサイクル」を回し続ける手法です。どちらも業務効率化を目指すものですが、アプローチや適用範囲が異なるため、目的や状況に応じて使い分けることが大切です。

BPMが注目される背景

ここでは、なぜ今BPMが多くの企業で注目されているのか、その背景について説明します。

デジタル化の進展

近年、企業活動のあらゆる場面でデジタル化が急速に進んでいます。ペーパーレス化やクラウドサービスの普及、AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といった新しい技術の導入が進む中、従来のアナログな業務フローでは対応しきれない場面が増えています。

デジタルツールを活用することで、業務の自動化や情報の一元管理が可能となり、作業時間の短縮やヒューマンエラーの削減が期待できます。しかし、これらのツールを効果的に使いこなすためには、業務プロセス自体を整理し、最適化することが不可欠です。BPMは、デジタル化の波に乗り遅れないための基盤づくりとして、多くの企業で導入が進んでいます。

働き方改革の推進

働き方改革が社会全体で推進される中、企業には生産性の向上や多様な働き方への対応が求められています。テレワークやフレックスタイム制の導入など、従来とは異なる働き方が広がることで、業務の進め方やコミュニケーションの方法にも変化が生じています。

こうした変化に柔軟に対応するためには、業務プロセスを見直し、誰もが分かりやすく、効率的に仕事を進められる仕組みが必要です。BPMを活用すれば、業務の流れを明確にし、属人化を防ぐことができるため、働き方改革の実現にも大きく貢献します。

また、業務の標準化や自動化が進むことで、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになります。これにより、組織全体の生産性が向上し、従業員の満足度や働きがいの向上にもつながります。

競争力強化の必要性

グローバル化や市場の変化が激しい現代において、企業が生き残るためには、常に競争力を高め続けることが求められます。新しい商品やサービスの開発スピードを上げるためにも、社内の業務プロセスを効率化し、無駄を省くことが不可欠です。

BPMを導入することで、業務のボトルネックや非効率な部分を早期に発見し、迅速に改善策を講じることができます。これにより、意思決定のスピードが上がり、変化の激しい市場環境にも柔軟に対応できるようになります。

また、業務プロセスが標準化されることで、品質のばらつきが減り、顧客満足度の向上にもつながります。競合他社との差別化を図るためにも、BPMは今や欠かせない経営手法となっています。

BPM導入のメリット

ここでは、BPMを導入することで得られる主なメリットについて詳しく解説します。

業務効率の向上

BPMの最大のメリットは、業務効率の大幅な向上です。業務プロセスを可視化し、無駄な作業や重複を排除することで、作業時間の短縮や手戻りの削減が実現します。

たとえば、複数の部署が関わる申請業務や承認フローを整理し、必要な手順だけを残すことで、全体の流れがスムーズになります。また、業務ごとに最適な担当者やツールを割り当てることで、作業の停滞やミスを防ぐことができます。

このように、BPMを活用することで、従業員一人ひとりの負担が軽減され、より生産的な業務に集中できる環境が整います。結果として、組織全体の生産性が向上し、競争力の強化にもつながります。

コスト削減効果

BPMの導入は、コスト削減にも大きな効果をもたらします。業務プロセスの無駄を省き、効率化を進めることで、不要な人件費や外部委託費、紙や備品などの消耗品コストを削減できます。

また、業務の自動化やITツールの活用によって、手作業によるミスややり直しが減り、間接的なコストも抑えられます。さらに、業務の進捗や成果を定量的に把握できるようになるため、経営判断の精度も高まります。

コスト削減は単なる経費の圧縮だけでなく、浮いたリソースを新たな事業やサービス開発に投資できるという点でも、企業の成長にとって重要なメリットです。

品質の標準化

BPMを導入することで、業務の品質を一定水準に保つことが容易になります。業務プロセスを明確に定義し、標準化することで、誰が担当しても同じ品質で業務を遂行できるようになります。

これにより、担当者ごとのやり方の違いによる品質のばらつきや、引き継ぎ時のトラブルを防ぐことができます。また、業務マニュアルや手順書を整備することで、新しい従業員の教育やOJTもスムーズに行えるようになります。

品質の標準化は、顧客満足度の向上やクレームの減少にも直結します。安定したサービス提供ができることで、企業の信頼性やブランド価値も高まります。

BPM導入のデメリット

BPMには多くのメリットがありますが、導入にあたってはいくつかのデメリットや注意点も存在します。

初期コストの負担

BPMを導入する際には、業務プロセスの現状分析や可視化、ITツールの導入など、一定の初期コストが発生します。特に、業務が複雑で多岐にわたる場合は、現状把握やプロセス設計に多くの時間と費用がかかることがあります。

また、BPMツールやシステムを導入する場合は、ライセンス費用やカスタマイズ費用も考慮する必要があります。これらのコストを正しく見積もり、投資対効果を十分に検討した上で導入を進めることが大切です。

初期コストを抑えるためには、まずは一部の業務プロセスから段階的にBPMを導入し、効果を確認しながら徐々に範囲を広げていく方法も有効です。

従業員の抵抗感

業務プロセスの見直しや新しい仕組みの導入は、従業員にとって負担やストレスとなる場合があります。これまで慣れ親しんだやり方を変えることに抵抗を感じる人も少なくありません。

BPMを成功させるためには、従業員への丁寧な説明や教育、現場の意見を取り入れたプロセス設計が欠かせません。トップダウンで一方的に進めるのではなく、現場の声を反映しながら進めることで、従業員の納得感や協力を得やすくなります。

また、BPMの目的やメリットを分かりやすく伝え、従業員が自分ごととして捉えられるようにすることも重要です。現場の理解と協力が得られなければ、せっかくのBPMも形だけのものになってしまう恐れがあります。

導入期間の長さ

BPMは、業務プロセスを一から見直し、最適化していくため、導入までに一定の期間を要します。特に、業務が複雑で関係者が多い場合は、現状分析やプロセス設計、テスト運用などに時間がかかることがあります。

また、BPMの効果が現れるまでには、ある程度の期間が必要です。短期間で劇的な成果を期待するのではなく、長期的な視点で取り組むことが求められます。

導入期間を短縮するためには、優先度の高い業務から順にBPMを適用し、段階的に範囲を広げていく方法が有効です。また、外部の専門家やコンサルタントの力を借りることで、スムーズな導入が可能になる場合もあります。

よくある業務プロセスの課題

ここでは、多くの企業で見られる業務プロセス上の課題について、具体的に説明します。

手作業による非効率

業務の中には、いまだに手作業で行われているものが少なくありません。たとえば、紙の書類を使った申請や承認、データの手入力、ファイルの手動管理などです。

こうした手作業は、作業時間がかかるだけでなく、ミスや抜け漏れが発生しやすいという問題があります。また、同じ作業を何度も繰り返すことで、従業員のモチベーション低下や疲労の原因にもなります。

手作業の多さは、業務全体の効率を大きく下げる要因となるため、早急な見直しが必要です。さらに、手作業が多い現場では、業務の進捗状況が把握しづらく、管理者が全体像をつかみにくいという課題も生まれます。こうした状況が続くと、組織全体の生産性やサービス品質にも悪影響が及ぶことがあります。

承認フローの複雑化

申請や承認が必要な業務では、承認フローが複雑になりがちです。たとえば、複数の上司や部門を経由しなければならない場合や、承認者が不在の際に手続きが止まってしまうケースなどが挙げられます。

承認フローが複雑になると、申請から承認までに時間がかかり、業務のスピードが低下します。また、誰がどの段階で承認したのかが分かりにくくなり、トラブルや責任の所在が不明確になることもあります。

さらに、承認フローの複雑化は、従業員のストレスやモチベーション低下にもつながります。承認待ちの状態が続くことで、業務全体の進行が遅れ、結果的に顧客対応やサービス提供にも影響が出ることがあります。こうした問題を放置すると、組織の信頼性や競争力にも悪影響を及ぼす可能性があります。

情報共有の不備

業務を進める上で、情報共有の不備は大きな課題となります。たとえば、必要な情報が特定の担当者しか分からない、最新の資料がどこにあるか分からない、情報が部門ごとに分断されている、といった状況です。

情報共有がうまくいかないと、同じ質問や確認作業が何度も発生し、業務のスピードが落ちてしまいます。また、誤った情報に基づいて意思決定が行われるリスクも高まります。

加えて、情報共有が不十分な職場では、従業員同士の連携が取りづらくなり、チームワークの低下や業務の重複が発生しやすくなります。これらの問題は、組織全体のパフォーマンス低下や顧客満足度の低下につながるため、早めの対策が必要です。

情報共有の仕組みを整えることは、業務効率化の第一歩です。BPMを活用することで、情報の一元管理や共有がしやすくなります。

業務の属人化

業務が特定の担当者に依存してしまう属人化は、多くの企業で見られる課題です。担当者が不在の際に業務が止まってしまったり、引き継ぎがうまくいかずにトラブルが発生したりすることがあります。

属人化が進むと、業務の全体像が見えにくくなり、改善の余地が分かりにくくなります。また、担当者の退職や異動が組織に大きな影響を与えるリスクも高まります。

さらに、属人化が進んだ職場では、他の従業員が業務内容を把握しづらくなり、業務の引き継ぎや教育が難航することも少なくありません。こうした状況は、組織の成長や変化への対応力を低下させる要因となります。

BPMを導入することで、業務の標準化やマニュアル化が進み、属人化の解消につながります。

BPMによる解決策

ここでは、BPMを活用して業務プロセスの課題をどのように解決できるのか、具体的な方法を解説します。

自動化による効率化

BPMの導入により、業務の自動化が進みます。たとえば、申請や承認のフローをシステム化することで、手作業による申請書の回付や承認者への確認作業が不要になります。

また、データの入力や集計、レポート作成なども自動化することで、作業時間を大幅に短縮できます。自動化によってミスや抜け漏れも減り、業務の正確性が向上します。

自動化は、単に作業を楽にするだけでなく、従業員がより重要な業務に集中できる環境を作ることにもつながります。これにより、組織全体の生産性が高まります。

さらに、業務の自動化は、従業員の働き方にも良い影響を与えます。単純作業や繰り返し作業が減ることで、従業員は自分のスキルや知識を活かせる業務に時間を使えるようになり、モチベーションの向上やキャリアアップにもつながります。こうした好循環が生まれることで、組織全体の活力が高まるのです。

プロセスの可視化と標準化

BPMでは、まず業務プロセスを「見える化」することから始めます。業務の流れや関係者、必要な手順を明確にすることで、どこに無駄や非効率があるのかを把握しやすくなります。

可視化したプロセスをもとに、標準化を進めることで、誰が担当しても同じ品質で業務を進められるようになります。標準化された業務は、引き継ぎや教育もスムーズに行えるため、組織の柔軟性が高まります。

また、プロセスの可視化は、業務改善のアイデアを出しやすくする効果もあります。現場の従業員が自分たちの業務を客観的に見直すことで、より良い改善策が生まれやすくなります。

さらに、業務プロセスの可視化と標準化は、組織の成長や変化に柔軟に対応するための土台となります。新しい業務やプロジェクトが始まった際にも、既存の標準化されたプロセスを応用しやすくなるため、スムーズな立ち上げや運用が可能になります。これにより、組織全体の対応力や競争力が一段と高まります。

アウトソーシングの活用

BPMの一環として、業務の一部を外部に委託する「アウトソーシング」も有効な手段です。たとえば、定型的な事務作業やバックオフィス業務を専門のアウトソーサーに任せることで、社内のリソースをより重要な業務に集中させることができます。

アウトソーシングを活用することで、業務の効率化やコスト削減だけでなく、専門性の高いサービスを受けられるというメリットもあります。また、業務プロセスの可視化や標準化が進んでいれば、アウトソーシングの導入もスムーズに進めやすくなります。

株式会社ゼロインでは、アウトソーシングサービスを通じて、企業の業務プロセス改善や効率化を幅広く支援しています。業務の可視化や設計、運用改善まで一括してサポートしており、常駐、スポット、オンラインなど柔軟な対応が可能です。BPMの導入や業務プロセスの見直しを検討している方は、ぜひゼロインのサービスも参考にしてみてください。

まとめ

BPM(ビジネスプロセスマネジメント)は、業務プロセスの継続的な改善を通じて、効率化やコスト削減、品質向上を実現する有効な手法です。導入にはいくつかの注意点もありますが、現代の企業経営に欠かせない考え方と言えるでしょう。業務プロセスの見直しや効率化を進めたい方は、BPMの活用とあわせて、ゼロインのコンサルティング・アウトソーシングサービスもぜひご検討ください。

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