総務における可視化とは?総務組織の現状を可視化するメリットやステップを解説!

総務における可視化とは?総務組織の現状を可視化するメリットやステップを解説!

可視化とは?

可視化とは、データや情報、概念などを視覚的に表現することで、理解しやすく伝えるための手法です。数値データをグラフやチャートに変換したり、複雑な関係性を図表やダイアグラムで示したりすることで、直感的な理解を可能にします。適切な可視化によって、複雑な情報も一目で理解でき、新たな洞察を得ることも可能になります。

特に総務部門は、多岐にわたる業務を少人数で担当することが多く、業務内容や進捗状況がブラックボックス化しやすい傾向にあります。また、他部門からは「何をしているのかわからない」と思われることも多く、総務の業務量や成果が正当に評価されにくい状況に陥ることもあります。

総務業務の可視化は、日々の業務内容や工数、コスト、成果などを「見える形」にすることで、業務の透明性を高め、適切な人員配置や業務改善につなげる重要な取り組みです。また、経営層に対しても、総務機能の価値を示す有効な手段となります。

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可視化と見える化の違い

「可視化」と「見える化」は似た概念ですが、実は重要な違いがあります。「可視化」は単にデータや情報を視覚的に表現することを指し、グラフやチャートなどを用いて数値や状況を目に見える形にする技術的なプロセスです。
一方、「見える化」はより広い概念です。見える化は、可視化した情報を組織内で共有し、理解を促進して行動変容につなげるまでの一連の活動を含みます。

このように、可視化は見える化に向けた出発点となる取組です。実態を視覚的に表現する可視化があってこそ、業務改善や人員配置の最適化に取り組めます。ここからは、可視化の概要について解説していきます。

総務における可視化の種類

業務プロセスの可視化

総務部門において最も重要な可視化の一つが「業務プロセスの可視化」です。これは詳細な手順書やフロー図を作成し、業務プロセスを明文化することを意味します。総務は、郵便物の仕分けから契約書管理、施設管理、社内イベント運営まで、多種多様かつ粒度の細かい業務を担当します。しかし、総務業務は暗黙知や経験則に依存している部分が多く、属人化しやすい特徴があります。

業務プロセスを可視化することで、以下の効果が期待できます。

  • 担当者不在時における業務継続性の確保
  • 新任者への効率的な業務引継ぎと教育時間の短縮
  • 業務の標準化によるサービス品質の均一化

しかし、業務プロセスを可視化し手順書を作成しても、活用されることなく形骸化しているケースも少なくありません。手順書の効果を最大化させるためには、社内での共有や定期的な更新が不可欠です。
特に総務部門は、組織全体を支える役割を担うため、特定の個人に依存した業務体制ではなく、組織として安定したサービスを提供することが求められます。

関連ブログ:業務可視化とは?メリット、手順やポイントを解説

総務組織の現状の可視化

総務部門において最も重要な可視化のもう一つは、「総務組織の現状の可視化」です。これは、「誰(担当者)」が「どのような業務(業務項目・難易度等)」を「どれだけ(業務工数・頻度等)」遂行しているかを明確にすることを指します。総務部門は多岐にわたる業務を担当しているため、業務の全体像を把握することが難しく、リソース配分や優先順位付けが適切に行われていないケースが多く見られます。

しかし、総務組織の現状を可視化することで、業務の偏りや負荷の集中、リソース配分の不均衡などの課題が明らかになります。さらに、経営層に対して総務部門の業務実態を示す根拠としても活用でき、適切な人員配置や予算獲得の交渉にも役立ちます。総務組織の現状を可視化することは、「見えない価値」を「見える形」に変換し、総務部門の存在意義を組織全体に示す重要なステップです。

こちらの記事では、「総務組織の現状の可視化」について解説します。

総務で可視化が必要な理由

総務部門で可視化が必要とされる最大の理由は、業務領域と業務項目が多岐にわたることにあります。備品管理、文書管理、施設管理、社内イベント運営、福利厚生など、さまざまな業務を少人数で担当するケースが多く、全体像を把握しづらい状況が生じます。

また、総務は会社のインフラとして安定運用することが求められる部門です。問題なく業務が回っている状態が「当たり前」とされ、その努力や工数は見えにくい一方で、ミスがあれば評価が下がるという特性があります。

このような状況下においては、業務の可視化によって、総務の仕事の全体像や工数を明確にし、適切な評価や人員配置につなげることが欠かせません。可視化は総務部門の「見えない価値」を組織全体に示す重要な手段となります。

総務組織の現状を可視化するメリット

総務組織の現状を可視化することで得られるメリットを紹介します。

属人化のリスクを発見できる

総務業務の可視化により、特定の個人に属人化している業務が明確になります。可視化によって属人化している業務を特定することで、マニュアル化や、複数人での共有体制の構築など、適切な対策を講じることができます。特に総務部門は少人数で多岐にわたる業務を担当することが多いため、可視化による属人化リスクの早期発見が重要です。

業務の目的を明確にし、業務品質の担保につながる

業務を可視化することで「なぜこの業務を行っているのか」という目的が明確になります。これにより、形骸化していた業務の本来の意図を理解し、目的に沿った業務品質の基準を策定できます。適切な基準で業務遂行することで、業務品質の担保につながります。

組織体制を最適化できる

業務の可視化により、「誰が」「どのような業務に」「どれだけの時間」を費やしているかが明らかになります。これにより、高スキル人材が単純作業に多くの時間を割いていないか、特定の人に業務が集中していないかなどの課題が浮き彫りになります。こうした情報をもとに、業務の再分配や役割の見直しを行い、各メンバーのスキルや経験に応じた最適な組織体制を構築できます。

総務組織の現状を可視化するためのステップ

総務組織を効果的に可視化するための6つのステップを紹介します。

「総務のありたい姿」の定義

総務部門の可視化の第一歩は、「総務のありたい姿」の定義です。経営層から何を期待されているのか、会社にどのように貢献すべきかを明確にします。この段階では、総務部門としてのビジョンや理想的な組織体制を策定します。

業務整理

次に、総務部門が担当しているすべての業務を洗い出し、業務一覧を作成します。業務の目的ごとに分類・整理し、各業務項目について「業務内容」「業務工数」「業務難易度」を明確にします。業務難易度は、業務の専門性や複雑さに基づいて「高・中・低」の3段階で評価します。「高」は役職や専門知識が必須、「中」は経験者のみ対応可能、「低」は誰でも対応可能とし、各業務を分類します。この段階では、業務の全体像が明確になるだけでなく、業務の重複や抜け漏れも発見できます。

業務工数調査

総務の現場で実務を担当するメンバーの業務工数を調査します。各業務にどれだけの時間がかかっているのか、実態を数値化することで、リソース配分の適正さを判断する材料となります。この段階では、メンバー全員の協力を得ながら、可能な限り正確なデータを収集することが重要です。実態を正確に把握することで、業務分析ステップの精度が高まります。

業務分析

収集したデータをもとに、「誰が」「どのような業務に」「どれだけの時間」をかけているかを分析します。工数、属人化、難易度など複数の観点から現状業務を分析し、業務の非効率性や属人化業務を特定し、改善点を洗い出します。例えば、高スキル人材が単純作業に多くの時間を費やしていないか、特定の人に業務が集中していないかなどを確認します。

組織体制の再構築

分析結果と「総務のありたい姿」を照らし合わせ、ギャップを埋めるための施策を検討します。不足している業務、不要な業務・過剰な業務を特定し、リソース再配分の方針を決定します。「本当に社員が行うべき業務は何か」という視点で業務を見直し、役職者やスキルの高い社員が定型業務に時間を取られている状況を改善します。

運用、検証、改善

再構築した体制・業務で運用を開始し、想定した業務内容や工数でミッションを遂行できているか定期的に検証します。日常業務には具体的な改善目標を設定し、3〜6か月ごとに進捗状況を確認します。数値化された指標をもとに客観的な評価を行い、継続的に改善を進めることで、総務業務の質と効率を高めていきます。

これらのステップを経ることで、総務業務の可視化が実現し、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。

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総務組織の現状を可視化する際のポイント

総務組織の現状を可視化するにあたって、特に注意すべき2つのポイントがあります。

可視化の目的を明確にする

可視化はあくまで目的を達成するための手段であり、「とりあえず可視化してみよう」という姿勢では、貴重な時間を費やしても可視化した情報を有効活用できないリスクがあります。可視化の目的を明確にすることで、何をどこまで可視化すべきかの判断基準ができます。また、可視化に取り組んだ時の効果を現場メンバーがイメージでき、協力も得やすくなります。

目的ごとに業務を分類・整理する

総務業務の一覧を作成する際は、「何のために行っているのか」という目的ごとに分類・整理することが効果的です。目的別の分類により、似た目的を持つ業務の重複も発見でき、業務効率化や業務統合の検討がしやすくなります。

総務組織の現状を可視化するなら「バックオフィス業務調査 ジョブカシカ」

ゼロインでは、総務・バックオフィス部門の業務可視化を支援する「バックオフィス業務調査 ジョブカシカ」を提供しています。このサービスでは、業務の現状を整理することで改善点が可視化され、​業務効率化、コスト削減、生産性の向上が​見込めます​。

約3か月のプロジェクト期間で、業務量、業務一覧、業務難易度などの現状を整理し、「どこに課題があるのか」「何から着手すべきか」を可視化します。

ゼロインは25年を超える総務サポートの実績があり、他社の可視化データとの比較を通じて業務の異変や非効率な部分を発見できます。
日常業務を行いながら、内部リソースだけで可視化を行うには大きなパワーがかかります。「バックオフィス業務調査 ジョブカシカ」を活用することで、日常業務に支障をきたすことなく可視化を進められ、大幅な時間削減が可能になります。

バックオフィス業務調査 ジョブカシカの流れ

以下の流れで総務・バックオフィス部門の全体像を可視化します。​

業務インタビュー

まず、業務を把握されている方に対して、ゼロインのコンサルタントが詳細なインタビューを実施します。対象者が関与している業務内容を丁寧に聞き取り、全体像を把握します。

業務一覧の作成

インタビュー内容をもとに、総務・バックオフィス部門で行われているすべての業務の一覧を作成します。この段階で業務の全体像が明確になり、重複や抜け漏れも発見できます。

業務調査アンケート

作成した業務一覧をベースに、総務・バックオフィスのメンバーに業務頻度・業務工数を回答いただきます。これにより、各業務にどれだけの時間がかかっているかの実態を数値化します。

業務分析レポート

収集した業務調査アンケートを集計・分析し、組織の現状を詳細なレポートにまとめます。このレポートにより、業務の偏りや非効率な部分が明らかになります。
分析レポートをもとに、貴社に最適なアウトソーシングサービスや業務の型化サービスなどの提案も可能です。

ゼロインでは、現状把握、改善提案、実行支援まで一貫したサポートが可能です。

このサービスを通じて、総務・バックオフィス業務の効率を効果的に向上させ、組織全体の生産性を高めることが期待できます。また、総務・バックオフィス部門の「見えない価値」を可視化することで、適切な評価や人員配置にもつながります。

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総務組織における可視化のサポート事例

個人と組織の力の最大化に向けた総務人事の業務可視化×組織コンサルティング|三ツ輪ホールディングス株式会社

総務コンサルティング事例にお答えいただいた三ッ輪ホールディングス株式会社の尾日向さん新家さん石山さん駒井さん

社名:三ッ輪ホールディングス株式会社
業種:グループ経営管理
設立:2019年10月 ※1940年創業の三ッ輪産業株式会社とグループ会社のホールディングスカンパニー
従業員数:600名

1940年に練炭製造・石油販売の事業者として三ッ輪産業株式会社を創業し、現在はLPガスや電力などのエネルギー供給・販売事業を主軸としている三ッ輪ホールディングス株式会社。「新しい価値を創造しつづけること」を使命とし、時代に合わせて扱う商材やサービスを変えながら事業を拡大しています。

ゼロインは現在、三ッ輪ホールディングス株式会社の総務人事統括部において、さらなる会社拡大を見据えたバックオフィスの組織づくりを目的に、業務可視化とマニュアル作成 、組織コンサルティングを行っています。

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まとめ

総務業務の可視化は、多岐にわたる業務を効率的に管理し、組織全体の価値を高めるための重要なステップです。「可視化」と「見える化」の違いを理解しながら、単にデータを視覚化するだけでなく、実際の業務改善につなげることが重要です。

可視化のプロセスは、「総務のありたい姿」の定義から始まり、業務整理、業務工数調査、業務分析、組織体制の再構築、そして継続的な運用、検証、改善へと進みます。これらのステップを通じて、属人化リスクの発見、業務品質の向上、組織体制の最適化といったメリットが得られます。

効果的な可視化のためには、目的を明確にし、業務を目的ごとに分類・整理することがポイントです。ゼロインの「バックオフィス業務調査 ジョブカシカ」サービスを活用することで、専門的な知見に基づいた効率的な業務可視化が実現でき、総務部門の「見えない価値」を組織全体に示すことができます。

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