総務ブログ

働き方改革で総務が果たすべき役割とは
月刊総務×ゼロイン(3/3)

働き方改革で総務が果たすべき役割とは

なぜ企業の働き方改革はうまくいかないのか?

第1回、第2回では総務アウトソーシングの価値や戦略総務についてディスカッションしましたが、最後となる第3回では働き方改革を総務がどう実現できるのか?についてお聞かせください。

大條 働き方改革の取り組みとして、オフィス改善やテレワーク導入に取り組んだ結果、社内でコミュニケーションが取れなくなったりマネジメントがきかなくなったりして、もとの状態に戻す企業が増えていると耳にしました。

株式会社ゼロイン 代表取締役 大條充能

豊田 働き方改革はツールや手法の改革といった「どうするか?=HOW」の部分に陥ると失敗します。「なぜ働き方改革をするのか?=Why」、次に「どのような働き方にしたいのか?=What」、そして「そのためにどうするか?=HOW」を順番に設計していきます。また制度を導入して終わりでは意味がないので、社員がやりがいを持って働き、かつ会社も成長・発展するためにどうすれば良いかという本質を突き詰めることも大切です。

そのプロセスで総務が果たせる役割は、社員が自分のコア業務に集中できる効率的な仕事環境を作りつつ、人が集ってイノベーションを起こせる場をオフィス面からいかに実現するかにフォーカスすることだと思います。

さらに、その場を使い続けてもらえるように働きかける姿勢も大切です。社員が「私はテレワークした方が良いでしょうか?」とならないためにも、社員の主体性や自立性も同時に育まないといけませんね。

『月刊総務』編集長 豊田健一氏

大條 主体性や自主性はまさにその通りで、本質的な課題はオフィス環境だけではなく、主体的に考えアクションする文化・風土が未成熟なことにもあると思います。テレワークが今後さらに進めば、会社には月に何度かしか出社しない社員も出てきます。そのときに、出社している社員同士をつなげ、やる気を引き出すような仕掛けを総務から発信できると、もっと働き方改革が進むのではないでしょうか。

総務は本質的な目的を理解して施策を実行する

大條 国が働き方改革をなぜ始めたのかを考えると、理由のひとつに日本の生産性の低さが挙げられます。これは、ただ残業が多いという話ではありません。時間短縮だけにとらわれず、会社全体の生産性をどう上げるか、社員一人ひとりが考えて実行している状態が働き方改革のゴールです。

残業時間規制などは、社内の規則・制度の見直しが必要です。しかしコンプライアンスが守られても生産性が上がっていなければ、働き方改革の成果としては不十分です。残業時間の抑制と生産性の向上は、必ずセットで取り組まなければいけません。

このとき総務が正しくゴールを理解して、ゴールに至るアプローチを考えられるかが働き方改革成功の分かれ目であり、重要なミッションになります。たとえば、総務が主体となって社員一人ひとりの良い仕事を共有するアプローチをおこなえると、会社の生産性に影響してくるのではと思います。

豊田 働き方改革に成功している企業は、制度自体に主眼を置くのではなく「その企業らしさ」と「目的を達成することのメリット」をつなげ、どのように実現するかを大事にしていますよね。

手法のひとつとしてテレワークなどの仕組みを導入するのであって、「らしさ」がない中で一生懸命に改革をしても、働き方との整合性が取れなくなってしまいます。

総務は社内報などのメディアを持っていたり、オフィスで交流できる場を作っていたり、全社的なイベントを仕掛けられます。こうした役割を担えるのは総務くらいですから、実際に制度を導入した後も情報共有や社内コミュニケーションのための施策を、総務から積極的に仕掛けられるとおもしろいですね。

大條 ゼロインでは『イイシゴト共有会』という名称で、各部署の良い仕事を全社に共有する企画を半年に一度開催しています。インターネットで配信する試みを総務から仕掛けたことで、時間や場所の制約を受けずに全社員が同じ情報を得られています。このように働き方改革の推進は、総務が提供できる価値を高めていく良い機会になると確認しています。

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