アウトソーシングと人材派遣の概要や違いを詳しく解説

「アウトソーシング」と「人材派遣」は、どちらも自社の業務を外部に依頼して対応してもらうサービスです。そんなアウトソーシングと人材派遣ですが、それぞれどのような種類があり、どのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、総務を中心にバックオフィス業務のアウトソーシング・コンサルティングサービスを25年以上提供しているゼロインが、「アウトソーシング」と「人材派遣」の概要や、それぞれの活用シーンについて解説します。業務を外部へ依頼するにあたり、アウトソーシングと人材派遣の活用を検討されている方、どちらが自社に適しているか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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アウトソーシングとは

アウトソーシングの中には、「請負契約」「委任契約」「準委任契約」の3種類があります。同じアウトソーシングではありますが、内容が少しずつ異なります。

請負契約

請負契約とは、成果物の納品に対して報酬を支払う契約のことを指します。委託会社は、受託会社に業務の完成を委託し、受託会社は業務を完成させる義務を負います。例えば、WEBサイトやロゴデザインなどの成果物の納品が請負契約に含まれます。

委任契約

委任契約とは、法律行為の業務遂行に対して報酬を支払う契約のことを指します。例えば、弁護士が行う訴訟に関する業務や、税理士が行う申告業務などが法律行為に含まれます。成果物の納品に対して報酬を支払う請負契約とは異なり、委任契約では、契約期間中に委託した業務の遂行にかかる時間や工数に対して報酬を支払います。

準委任契約

準委任契約とは、法律行為以外の業務遂行に対して報酬を支払う契約のことを指します。例えば、特定期間における総務業務や、商品の広告宣伝業務の委託などが、準委任契約に含まれます。準委任契約は、委任契約と同様に、契約期間中に委託した業務の遂行にかかる時間や工数に対して報酬を支払います。

人材派遣とは

人材派遣には、「一般派遣」「紹介予定派遣」「特定派遣」の3種類があり、アウトソーシングと同様に、それぞれ内容が異なります。

一般派遣

一般派遣とは、人材派遣会社へ派遣社員として登録している労働者が、派遣先会社へ派遣されて仕事をする働き方のことを指します。自身のスキルや能力に合った仕事が見つかり、人材派遣会社と合意がなされれば、人材派遣会社と派遣契約を結び、派遣社員として派遣先会社で働きます。
労働者派遣法第35条の3により、派遣社員が同じ事業所の同じ部署で継続して働けるのは、原則3年までとなっています。

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣期間(最長6ヶ月)終了後、派遣先会社の社員として働くことを前提とした働き方のことを指します。一定期間、派遣先会社で派遣社員として働くことで、派遣社員と派遣先会社がお互いに直接雇用で働くことに合意した場合、派遣契約から雇用契約に切り替わります。一般派遣では、面接や選考といった派遣社員の特定行為は禁止されていますが、紹介予定派遣では、直接雇用を見据えているため、面接や選考を行うことが可能です。

特定派遣

特定派遣とは、人材派遣会社と正社員として雇用契約を結んだ後、派遣先で派遣社員として仕事をする働き方のことを指します。エンジニアなどの専門性の高い職種で多く採用されていましたが、平成27年度の派遣法改正により特定派遣は廃止されました。

アウトソーシングと人材派遣の違い

アウトソーシングと人材派遣には、大きく3つの違いがあります。アウトソーシングや人材派遣の導入を検討している際には、これらの違いを理解しておくことが重要です。

アウトソーシングは「業務委託契約」で、人材派遣は「労働者派遣契約」である

アウトソーシングでは、自社とアウトソーシング会社とで、「業務委託契約(請負、委任、準委任)」を結びます。アウトソーシング会社だけでなく、個人事業主にアウトソーシングすることもあります。

一方で、人材派遣では、自社と人材派遣会社とで、「労働派遣契約」を結びます。契約は、派遣されて来る派遣社員ではなく、派遣元の人材派遣会社と結ぶことになります。

アウトソーシングは「成果物の納品や業務の遂行」を、人材派遣は「労働力」をサービス対価としている

アウトソーシングでは、「成果物の納品や業務の遂行」がサービス対価となります。WEBサイトやデザインなどの成果物を納品してもらう場合や、システム運用や一般事務といった業務を遂行してもらう場合があります。

一方で、人材派遣では、「労働力」がサービス対価となります。契約で定めた時間分を派遣社員が働くことで、労働力を提供します。

アウトソーシングは「アウトソーシング会社」が、人材派遣は「自社の社員」が業務指示をする

アウトソーシングでは、成果物の納品や業務の遂行を委託しているため、自社の社員がアウトソーシング会社に直接指示を行うことはできず、アウトソーシング会社内で業務指示が行われます。そのため、適宜指示を出す必要がない定型化された業務には、アウトソーシングの活用が適しています。

一方で、人材派遣では、自社内で派遣社員へ直接業務指示を行います。直接指示を行うことができるため、柔軟な対応が求められる業務には、人材派遣の活用が適しています。

アウトソーシングの活用シーン

ここでは、アウトソーシングを活用するのに適したシーンについて解説します。以下の場合には、人材派遣よりもアウトソーシングを活用する方が適しているでしょう。

外部企業でのノウハウを活用したいとき

アウトソーシングでは、アウトソーシング会社がこれまで他社で蓄積してきたノウハウや知見を活用することができます。そのため、それらのノウハウや知見を活用することによって、自社内で業務を行うより、効率良く安定的に業務を行うことができるようになります。他社での知見も取り入れることで、これまで抱えていた課題の解決も期待できます。

採用、育成、管理にかかるコストや工数を削減したいとき

アウトソーシングでは、自社で採用、育成、管理を行う必要がありません。人材難の世の中である上に、転職も一般化しているため、自社採用の難易度はますます高まっています。また、採用をしても社員の育成や管理には、莫大なコストや工数がかかるため、アウトソーシングの活用でそれらのコストや工数を削減できるのは大きなメリットになります。

また、人材派遣では契約期間に制限があるため、派遣社員が代わる度に業務の引き継ぎを行う必要があります。その一方で、アウトソーシングでは契約期間の制限がないため、定期的に業務の引き継ぎを行う必要もありません。

人材派遣の活用シーン

続いて、人材派遣を活用するのに適したシーンについて解説します。以下の場合には、アウトソーシングよりも人材派遣を活用する方が適しているでしょう。

必要な期間にだけ求めるスキルを持った人材を活用したいとき

人材派遣では、期間やタイミング、業務内容などに合わせて、必要に応じた派遣社員を活用することができます。短期間での派遣サービスや、週に数回の派遣サービスなどもあるため、一時的に増員がしたい時や、工数の少ない業務に対応してほしい時などに適しています。また、人材派遣会社には、さまざまなスキルや経験を持つ派遣社員が数多く登録しています。そのため、依頼したい業務を行うために必要なスキルや経験を持った人材を確保することが可能です。

自社の指揮管理のもと柔軟に業務に対応してもらいたいとき

人材派遣では、委託会社が派遣社員に直接業務指示を出すことができます。そのため、イレギュラーへの対応や、突発的な業務内容の変更にも柔軟に対応してもらうことができます。また、業務の実施者に直接指示を出すことにより、業務の意図や全体感まで伝えながら遂行してもらえます。

アウトソーシング・人材派遣を活用する際に注意すること

アウトソーシング、人材派遣を活用する際には、注意しておかなければならないことがあります。注意点を知らずに活用してしまうと、法に触れてしまう可能性もあるため、必ず確認してから活用するようにしましょう。

アウトソーシングの注意点

アウトソーシングでは、「偽装請負」に注意しておく必要があります。偽装請負とは、書類上では請負契約を結んでいるのにも関わらず、実態としては、労働者派遣契約に該当する行為を行うことを指します。請負契約では、委託者は受託者に対して直接指揮命令を行う権限を持ちません。それなのに、実態としては、委託者が受託者に対して、直接細かな業務指示を行っていることが発覚すると、偽装請負と判断される可能性があります。偽装請負は、労働者派遣法第5条、労働基準法第6条、職業安定法44条に抵触する可能性があります。

人材派遣の注意点

人材派遣では、「二重派遣」に注意しておく必要があります。二重派遣とは、人材派遣会社から派遣された派遣社員を、自社ではなく、さらに別の会社へと派遣することを指します。例えば、人材派遣会社X社からY社に派遣された派遣社員を、Y社がZ社にさらに派遣している場合が二重派遣に当たります。二重派遣は、中間搾取につながる恐れがあるため、労働基準法第6条、職業安定法第44条に抵触する可能性があります。

まとめ

アウトソーシングと人材派遣はどちらも、外部の人的リソースを活用する方法ですが、それぞれのサービスの中にも種類があります。また、アウトソーシングと人材派遣では、「契約形態」「サービス対価」「業務指揮命令系統」という3つの大きな違いがあります。そのため、それぞれに適した活用シーンや注意点があるので、自社のニーズに合わせたサービスを活用するようにしましょう。

ゼロインは、創業以来25年以上をかけてさまざまな企業で培った、総務を中心とするバックオフィス業務の豊富なサポート経験があります。柔軟な業務対応範囲とホスピタリティの高さ、委託範囲を明確化するための業務整理や、業務設計力が強みです。バックオフィス業務に関するお困りごとがあれば、まずはご相談ください。

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