
サンバイオ株式会社は、再生医療の開発を通じたステークホルダーへの価値提供をミッションに掲げ、再生細胞薬の開発・製造・販売を手がけています。2026年には長年開発を続けてきた細胞治療薬『アクーゴ®』の販売が始まり、会社は新たな事業フェーズへと歩みを進めています。
ゼロインは、スタッフがサンバイオ株式会社のオフィスに常駐する形で、社員からの問い合わせ対応や各種申請対応、オフィス・総務関連業務を担う総務サポートデスクを運営しています。あわせて、業務の可視化・標準化、マニュアル作成、スポットプロジェクトの支援など、総務機能の基盤構築から日々の運用まで幅広く支援しています。
支援開始前のサンバイオでは、総務・バックオフィス業務の一部が派遣社員や特定の担当者に集中していました。そのため、日々発生する総務業務を安定的・継続的に運用する体制づくりが課題となっていました。
そこで、単なる業務代行ではなく、常駐して社員対応を担いながら、属人化した業務を組織で安定運用できる仕組みに変えるパートナーとして、ゼロインの総務BPOを導入しました。
ゼロインの支援によって、バックオフィスのあり方や総務サービスを受けるサンバイオ社員の体験はどう変化したのか。総務・バックオフィス領域を担当する管理本部マネージャーの日髙祥子さんに、導入の背景、選定理由、今後の展望をうかがいました。
お客様情報
導入の目的・背景
ゼロインのサポート内容



ゼロイン:ウェブサイトからのお問い合わせが、お取引のきっかけでした。当時、総務はどのような状況でしたか。
当時、総務は私を含めた3名で運営していました。少数精鋭の体制だったため、担当者1名しか手順を把握できていない業務が多く、属人的が進んでいました。また、メンバーの1名は派遣社員だったため、契約終了時の引き継ぎや、後任者への指示・育成にかかる負担も懸念していました。
こうした体制は、会社が成長するうえで大きなリスクになると考えました。そこで、総務の組織力を高めるために、上司と総務BPOサービスの導入を協議し、活用方針を固めました。
ゼロイン:委託先候補は、どのような基準で比較・検討されましたか。
選定基準は2つありました。1つ目は、業務を引き継ぎながら標準化を進め、マニュアルまで作成していただけることです。2つ目は、可能な限り早く支援を開始していただけることです。
これまでは、少人数で日々の業務を回すことを優先していたため、マニュアル整備まで手が回っていませんでした。業務の引き継ぎが発生するたびに、口頭で説明し、後任者にメモを取ってもらう形で対応していました。委託前に当社でマニュアルを整備することは難しかったため、マニュアルがない状態から支援を始めてもらう必要がありました。
これまでの引き継ぎでは、解釈の違いや記録漏れによって業務品質にばらつきが生じることもありました。そこで、今回のBPO導入を機に、業務を引き継ぎながら可視化・標準化まで進められる会社を探していました。
もう1つは、支援開始までのスピードです。当時、担当社員の業務が逼迫し、残業時間も増えていたため、できるだけ早く状況を改善したいと考えていました。各社に相談したのは11月頃でしたが、翌年2月の支援開始を希望していました。
サンバイオ社のオフィスでは、「from “HERE”」というオフィスコンセプトを掲げ、新しい価値の共創を目指していますゼロイン:最終的に、どのような点が選定の決め手になりましたか。
総務BPOを提供する5社に相談しました。そのうち2社はリモート対応のみで、常駐可能な3社の中でも、翌年2月から支援を開始できると回答したのはゼロインさんだけでした。私は早期に総務業務の負担を軽減したかったため、支援開始までのスピードは大きな決め手でした。実際には、体制を前倒しで整えて、問い合わせの翌月12月からサポートを開始してくれました。
提案内容にも差がありました。他社の提案では、対応可能な業務範囲があらかじめ決められており、記載のない業務には原則対応できないという内容でした。休憩時間や急な欠勤時のバックアップ体制についても、当社が求める柔軟性との間に差を感じました。
一方、ゼロインさんは「何とかします」と、私たちの要望を前向きに受け止めてくれました。当社には、総務にとどまらずBPOの活用範囲を将来的に広げる構想があったため、柔軟な対応力と将来的な拡張性も高く評価しました。
委託先は執行役員会議で最終的に決まりました。経営層でも、「ノンコア業務を組織的に担うBPO会社を社内に積極的に組み込んでいこう」という方針が共有されていたと聞いています。BPOの必要性だけでなく、今後さらに活用範囲を広げる可能性についても、社内の理解は進んでいると思います。
ゼロイン:スピードや柔軟性にくわえて、社内決裁ではどのような価値を評価いただきましたか。
業務を代行するだけでなく、組織文化の醸成にも力を入れ、サンバイオの一員として社内に溶け込んでくれるという期待です。
これは、BPOベンダーごとに特色が表れる部分だと思います。常駐スタッフに「外部のBPOスタッフ」という意識が強すぎると、会社同士の壁が前面に出て、社員も仕事を頼みにくくなります。
ゼロインさんは提案段階から、「サンバイオの組織に溶け込む努力をします」という姿勢が明確でした。私たちも、「同じサンバイオのメンバーとして一緒にやっていける」と期待を感じました。
ゼロイン:すべての社員と接点を持つ「総務」という職種の特性もありますよね。
社員に仲間だと感じてもらえることで、仕事の頼みやすさや、コミュニケーションの内容も変わっていきますからね。

ゼロイン:サポートを開始してから約半年が経過しました。支援開始後、どのような変化を感じていますか。
何より大きいのは、ゼロインさんが組織で対応してくれる安心感です。属人化していた業務の体系化とマニュアル作成が並行して進み、担当者が変わっても継続して対応できる運用体制が整ってきました。
私が負担に感じていた引き継ぎ工数も、大幅に減りました。総務業務は多岐にわたるため、一つひとつ覚えてもらうだけでも時間がかかります。その間にも新しい業務がくわわり、常に引き継ぎに追われている感覚がありました。
現在は、業務の整理からゼロインチーム内での引き継ぎまで完結してもらえるため、当社側の管理負担が大きく軽減しています。業務を任せたことで、本来注力したかったコア業務に時間を使えるようになり、BPO活用の効果を実感しています。
ゼロイン:総務は社員の働きやすさを下支えする機能でもあります。総務サービスを受けるサンバイオ社員のみなさまは、ゼロインのサポートをどのように感じているのでしょうか。
ゼロインさんが常駐してオフィスで一緒に働いてくれるようになって、社内に良い影響が生まれています。当社は平均年齢が40代後半で、若い社員でも30代です。そうした環境のなかで20代の若いゼロインメンバーが元気に働いてくれることで、オフィスにフレッシュな雰囲気が生まれています。
常駐当初はオフィスの端に座席を設けていましたが、今では社員と同様にフリーアドレス席にしています。総務業務の効率だけを考えれば、配送業者への対応や社員からの問い合わせに対応しやすい出入口付近が合理的です。しかし、社員から「効率だけでなく、コミュニケーションを重視してほしい」という声が上がり、現在の運用に変更しました。運用変更の意図も汲んで、中央近くの席に座り、周囲の社員と積極的にコミュニケーションを取ってくれています。
社員からは、ゼロインさんは気軽に話しかけられる存在でいてほしい、もっと社内に溶け込んで仕事をしてほしいという思いを感じます。
ゼロイン:現場社員のみなさまとのコミュニケーションについて、印象的な取り組みや場面はありましたか。
それまでは、総務への問い合わせをTeamsのチャットやメールで個別に受け付けていました。そこでゼロインさんは、総務サポートデスク専用のTeamsチャネルを立ち上げ、必要に応じて個別チャットでも相談できる仕組みを整えてくれました。
その結果、私たちを介さず、社員とゼロインメンバーが直接、気軽にコミュニケーションを取る場面が増えました。問い合わせ対応だけでなく、チャットでの雑談も日常的に行われているようです。社員とゼロインメンバーが自発的に関係を築けているのは、素晴らしいことだと思います。
何より、仕組みづくりから社内への浸透、運用の定着までを、ゼロインさんが自律的に推進してくれたことが助かっています。
総務サポートデスクで働くゼロインメンバーゼロイン:当初は2名常駐の契約でしたが、その後、増員のご要望をいただきました。現在、BPOをどのように活用されていますか。
今後は、ノンコア業務を可能な限り外部化し、常駐体制も積極的に拡大したいと考えています。BPOは総務から始めましたが、将来的には各事業部の営業事務や生産事務にも対象を広げる構想があります。
執行役員会議でも、BPOを組織的に活用することを前提に導入を決定しました。ゼロインさんに当社の事業や業務への理解を深めてもらいながら、着実にその方向へ進んでいます。
また、株主総会対応やマニュアル作成など、通常業務とは別に対応が必要な際には、常駐チームとは別のメンバーにもスポットプロジェクトとして支援を依頼しています。段取りや調整力が高く、安心して一任できます。プロジェクトを前に進める力も感じています。
ゼロイン:当初の課題だった属人化の解消や、総務の組織力強化についてはいかがですか。
担当者の退職や異動のたびに発生する引き継ぎコストは、多くの管理職が抱える悩みだと思います。時間面・費用面の双方で大きな負担になります。今回、BPOによって業務を組織的に担う体制へ移行したことで、こうした負担を軽減できました。
一方、経営の視点では、ノンコア業務にどこまでコストをかけるかは重要な論点です。ゼロインさんに実際に業務を担ってもらうなかで、その価値を実感できましたし、投資に見合う効果が得られていると感じています。
評価しているのは、業務遂行だけではありません。日々のコミュニケーションや、組織の活性化への貢献も含まれます。こうした効果は数値化しにくいものですが、定性的な面も含めてゼロインさんの価値だと思います。
導入して初めて分かる価値を、導入前の企業にどう伝えるかは、難しいですよね。
ゼロイン:組織づくりのパートナーとして、ゼロインへの高い期待を感じます。最後に、これからゼロインと実現したい未来像をお聞かせください。
現在は、業務の体系化や改善を進めている段階です。今後は、当社の事業全体への理解をさらに深め、根本的な業務改革にも取り組んでもらうことを期待しています。必要に応じて別の契約形態も検討し、当社の重要会議にバックオフィスの専門家として参加してもらうことも考えられます。
役員は、単年度の事業計画や中期経営計画を策定しています。当社は、アクーゴの承認・発売を経て、新たな事業フェーズへと移行しています。経営計画の実現に向けて管理本部がどう貢献できるか、そのなかでゼロインさんにどのような役割を担ってもらうかを、より高い視点で議論できると良いですね。
全社を俯瞰して総務組織や業務を考えられるようになれば、総務組織全体がより自律的に動けるようになると思います。新しい組織や機能を立ち上げる際の業務設計からゼロインさんに参画してもらえると心強いですし、そうした役割を期待しています。
担当者の想い
サンバイオ様のサポートにおいては、サンバイオ社内のコミュニケーションスタイルや組織文化に合わせた行動指針をゼロイン内で策定し、チーム全員で日々体現し続けてきました。そうした取組の結果、業務遂行にくわえてコミュニケーションや組織活性化への貢献まで評価いただき、大変嬉しく思います。
担当者として常に意識していたのは、サンバイオのみなさまが「何を求めているのか」「何を目指しているのか」を深く考え続けることです。雑談も含めた日々の会話を通じて、認識のずれを無くし、方向性を丁寧にすり合わせるコミュニケーションを大切にしてきました。ご要望に対しては、「できる方法を考える」姿勢を貫き、ゼロインメンバーの入れ替わりが発生しても業務品質やスタンスが変わらないよう、一貫性の維持に注力しています。
当初の課題であった「属人化の解消」では、前任者の方へのヒアリングを通じて業務の背景知識や判断の根拠を把握・整理することで、誰が担当しても安定した品質で対応できる運用体制を構築しました。また、マニュアル作成においては、現時点での最適な運用フローだけでなく、サンバイオ様の事業フェーズの変化を見越して、将来的な課題や改善ポイントも記載するなど、サンバイオ様の成長に長期的に伴走できるよう取り組んでいます。
今回の常駐メンバーの増員では、業務品質の向上や体制強化と同時に、オフィスの雰囲気や組織文化の活性化により一層、貢献できる存在でありたいと考えています。サンバイオ様は変化が非常に速く、新たなご依頼やご要望への臨機応変な対応が求められます。今後はサンバイオ様の変化に対応するだけでなく、ゼロインが課題を先回りして解決をリードするパートナーとなれるよう、引き続き伴走してまいります。


